Text _ 断面と奥行きについて 2026.1.25
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更新日:5 日前


彫刻制作を学ぶ際、基礎として塑像を行う。
粘土で人の頭(首像と呼ぶ)を作る際に、反対側の面同士を対応させるように、と言われた言葉が記憶によく残っている。例えば、「額を作る時には後頭部の角度も感じるように」「鼻の頂点は対角線上の頭頂部を意識しながら形をおさえなさい」といった指導があった。形をおさえるという表現は塑像を経験していない人に伝えるのは難しいが、形を納めていく、決めていくという言葉が近いのかもしれない。彫刻を学ぶことを主旨としたデッサンでも、2次元の絵には現れない対角線の向こう側を意識するようにと指導された。
一般的な木彫制作の過程では、まず製材した木に正面、背面、側面、天面のそれぞれの面に原寸大の図案を罫書き、それをチェーンソーなどで図案のシルエットの通りに切り出していく作業がある。
私はこの作業工程の、最初の一面が切り出された状態に強く関心を持った。
作業工程の過程にある、「断面」と「厚み」が共存して現れたこの状態に何が現れているのか、という問いが私の制作の起点となっている。
近作では、この思考を「星座」というモチーフに拡張し、星の光の奥行きとその光にまとわりつく量感を取り扱おうとしている。
光ファイバーやパイプなどを使い、断面間に光が貫通する構造を作り出した。断面を貫いて進む光の距離を時間として捉え、目には見えない時間を物質として感じられる造形を試みている。
地球から見えた〇〇座をもし違う場所から見えたらどんな断面になるのか、異なる視点の位置をシルエットで囲った時、それらをつなぐボリュームはどのような表情をするのか。
先に挙げた作品では、こちらの断面と向こう側の断面が存在する。
こちらとあちらをつなぐ間に生まれるボリュームが彫刻となるのではないか、これを仮説として制作を行っている。
木村桃子

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